ギインッ


鈍い音を立てて、銃弾が足元のレールを弾く。

「來、動くな!」

振り返るとそこには銃を構えた集団

その中央部にはフードがついた長いローブを纏った人物

その人物は深くフードを被っているため顔も見えない。

しかし、來奈には誰であるかしっかりと分かる。

「御前も御一緒ですか?」

先に口を開いたのは來奈の方

「まあな。どうしても立ち合いたいと申されたのだ。

お前の処刑にな。」

隣の男が答え、うっすらと笑みを浮かべる。

「…そうですか…列火さん。

でもオレは組織を抜ける気で来た…それくらいの覚悟は出来ている。

やらなければならない事もあるしな。

…御前も一緒なら好都合だ。」

「何を言う。裏切りものが。」

「裏切った?オレが?

裏切るって事は仲間を欺くってことだろ?

いつオレが仲間になった?

オレはお前らを仲間だと思った事は一度もない。

オレの仲間はあいつらだけだ!」

來奈の脳裏には弥那や氷達の顔が浮かぶ。