東城さんが言った通り、六時間目の授業は自習というかたちでなくなった。



東城さんは真ん中の席に座り、足をくんで私を見つめた。




「早く話して。ナツキ、じれったいの嫌」



私はあせるように東城さんの所にいき、ことのあらましを全て話した。




「愛美、東城さんのこと好きだからよけいに落ち込んでて…」



「…へぇ。で?あなたは何も思わないの?」




え?



不意討ちだった。





「親友なんでしょ?愛美と。その愛美がナツキナツキって…何も思わないわけないよねぇ?」




…っ。




「…何も思わないよ」



そういうのが
精一杯だった。



「あっそ」



つまらなさそうに東城さんは言葉を吐き捨て、それからにやりと笑った。




「愛美さぁ、あんたのことウザイっていってたよ」



…は?