愛美を保健室につれていき、私は一人教室にむかった。
ガラッ
皆の視線が痛いほどつきささる。
「東城さん」
迷わず東城さんのところに向かい、ためらいがちに尋ねた。
「愛美のことなんだけど…」
東城さんの眉がぴくりと動く。
「愛美すごい落ち込んでて…」
キーンコーンカーンコーン
…最悪なタイミング。
六時間目のはじまるチャイムで私の言葉は閉ざされた。
「ねぇ」
私が席につこうとすると東城さんはクスリと笑っていった。
「六時間目はさ、皆で愛美のことについて話あわない?」
「え…でも授業が」
「ナツキが先生にいえば授業なんてなくなるし。ナツキが全てなの」
東城さんは甘ったるい声でそういった。
