胸がつまって、言葉がうまく出て来ない。 しばらくたってようやく、弱々しい声で私はこう言った、 「見ちゃったの……」 白い息と共に、この言葉も消えていったらいいのに。 でも、もう後には引けない。 愛は黙ったまま、私の方を見つめてる。 「愛が女の子と写ってる写真……生徒手帳が風でめくれて……」 「何で?」 愛の声が低く響いた。 「あの写真…… 愛は三年前に南部デパートの屋上で、飛び降り自殺しようとしてたよね?」 愛はじっと、悲しそうな表情で、目を閉じ唇をかみしめてた。