「おい!大丈夫か?!」

僕たちはその塊に近寄ると、はぁはぁと息を荒げている水王の付き人だった。

面の端がすっかり黒くなったが火傷などはしてないようだった。

「お兄ちゃんありがとう!ありがとう!」

付き人の人は小さな子の頭にポンっと手を乗せて体を起こした。

僕は助け出された子に話しかけた。

「君はどこも焼けどしてない?」

「大丈夫!ありがとうございました!」

その子はお辞儀をして皆の傍へ駆け寄った。
先ほどの建物は孤児院らしく院長がレオさんたちの傍により何かを話している。

人は立ち上がり人ごみを掻き分けてレオさんたちとは逆の方向へと走っていく。

その方向をみると、1人の人影が路地裏へ逃げていく様子が見えた。

人はその人影を追いかけているようだった。

僕はその人を追いかけていく。

人は屋根に上がった。僕も上がると、そこにはお兄ちゃんが立っていた。

「お、兄ちゃん」

「よ!元気してたか?」

お兄ちゃんは何事もなかったように僕に手を挙げ笑顔で挨拶をする。

「もしかして…さっきの火事はお兄ちゃんがやったの?」

「そうだよー。って言ったら水希はどうする?」

にっこりと笑うお兄ちゃんはいつも僕に冗談をいうお兄ちゃんの表情と一緒だ。

「冗談だよね?」

「ううん、本当だよ」

「なんで…そんなこと…するの?」

「あの孤児院は昔から森蘭の存在を認める院長が居たからね。院長殺すより、子供殺したほうが、ショックって大きいだろ?」

この目の前にいる人はどうしてこんなことを言うの…?

「俺は水希を迎えにきた。一緒に行こう、水希」

お兄ちゃんはそっと手を僕の前へと向けた。

「なのに…お前誰だよ?何しにきた?君を呼んだ覚えはないんだけどな」

「誰でもいいだろ」

「あぁ、そういやお前水王の付き人だったなぁ。」