「ええ!?ロキ・ロレッタらしき人物に出会った?!」

「う、うん」

薫はあの後、すぐに支部に戻った。
寝ている沙羅の部屋に駆け込み一気に先程の出来事を一通り沙羅に話すと信じられないというように沙羅はベッドから飛び起き声を張り上げた。


「多分だよ、多分…。ただ妖魔の背中に乗ったり、妖魔を操ることが出来たりしたっていうだけだから…それに写真と少し違う顔してるし。もしかしたらアスベル族なだけなのかもしれない。」

写真は女の子らしい可愛らしさがあるが、先ほどの子供はどちらかというと少年らしさが強かった。

先ほどの少年を思い浮かべるが、暗闇であったこともありうまく思い出せない。

沙羅はうーんと唸って椅子に座りなおした。

「そうかもしれないけど…手がかりが1つもない今の時点では小さなことでも報告するべきよ!もしかしたら顔を変えてるかもしれないし。」

そういい沙羅は報告書を取り出した。

なんだかミスをおかしたように感じて落ち込んだ。

「どうしたのよ。」

沙羅はそれに気づき、俺の肩に優しく手を置いた。

「…気にしなくていいわ。薫の判断はよかったのよ。」

俺の肩から手を離すと報告書をすぐさま書き上げ、沙羅の鳥に咥えさせた。

「本部にお願い、速達よ。零に急ぎの配達なの。」

報告書を咥えながら鳥は飛び立っていった。