「おい!何処行ってたんだよ!」

腹部の傷も閉じてしっかりと自分の足で歩けるようになったエデンがずっと姿を見せなかった”あいつ”に怒鳴るように言った。

”あいつ”はため息をついて入ってきたドアのほうへと向きを変えた。

「1人でどこかに行くなって言ったろ?!何かあったらどうするんだ!!!」

「...」

”あいつ”はいつものように何も言わず手に持っていた本を持って部屋から出る。

「エデン、そんなに怒るなよ。」

「そうね、いくらなんでも可哀想よ。」

俺とリオはエデンにそういうが彼は心配そうに彼を見ていた。

「...エデン」

俺は初めて”あいつ”の声を聞いた。

会って間もないがずっと黙っていて口を開かない。

俺は今まで彼は喋れないと思っていた。

「なんでその名前を知っている?」

「え...だってこいつの名前...」

彼はこちらに向きエデンのそばに寄って、胸倉を掴んだ。

けれどエデンは抵抗もなにもしない。

ただ彼に掴まれたままだった。

「...俺を馬鹿にしてるのか?」

「違う」

「何が?」

先ほどよりも声が低くなり、彼は怒っていると分かった。
いきなりどうしたのか?

「俺は...」

弱弱しくエデンはそれだけ言って黙ってしまった。
俺もリオもどうしていいのか分からずただお互いの顔や2人の顔を見ているしかやることがなかった。

そして、”あいつ”は手を下ろし、部屋から出て行った。

エデンは掴まれていた服を元に戻しながらさらに暗い表情になった。