翌日の朝練に、鉄平は来てはくれなかった。



みんなが集まる時間に来た鉄平はいつも通りの練習をした。





きっと誰も気付かない。


誰も気付かないよ。




鉄平が私を見てくれない。


名前を呼んでくれない。




でも、自然過ぎて誰も気付かない。





居残り練習にも誘ってくれなかった。




「今日は居残りしないの?」



「うん」




部室で着替えながら、ソファを見つめた。




ふたりだけの秘密。



この部屋でふたりきりでいたこと。


いろんな話をしたこと。




ドキドキする。