サーブ、すごいいい音。 フォームが豪快で。 遠くても見える、飛び散る汗。 シュワシュワ 胸が苦しい。 あ。 戻ってくる。 やばい。 息ができない。 「このラケット、打ちやすいな。ありがと!!」 さっきとは違う顔。 汗をかいた赤い顔で戻ってきたその人は、ラケットのガット部分で、私の頭をポンポンって叩いて、やんちゃな笑顔を見せた。 「飲み終わったか?このことは内緒だからな」 私の手から缶を奪ったその人は、同時に私のハートも奪ってしまった。