手を繋いで歩く通学路。 繋がった手から衛の体温を 感じる。 「咲良、俺・・・。」 「うん。」 「医者になろうと思う。」 衛の口から思ってもないひと言が 聞こえてくる。 「お医者さん?」 「あぁ、親父のような地域密着型の 医者になりたいと思ったんだ。 俺でもなれるかな。」 「衛ならきっと大丈夫だよ。」 「ありがとう。」 パパが聞いたらどんなに喜ぶだろう。 きっと、天国の衛のおかあさんも 喜んでると思うよ。