「なにやっ…」 言いかけた言葉を止めてばあちゃんの方に目を落とした。 「救急車!」 親父はすぐにばあちゃんの家の電話で救急車を呼んだ。 俺はすぐに気がついた。 同時に慧も気がついたみたいで顔をあわした。 『救急車を呼べばよかったんだ…』 大きな後悔が胸の中をうずまく。 気づいてすぐに電話すればよかった。 「兄ちゃん…救急車…呼べばよかったんだよね…」 慧は小さな声でそう呟いた。