君がまた、東京にかえっていった。 来年の夏まで君は来ない。 でも、来年の夏になれば逢える。 そう思ってた。 そんな九月のある日 「たでーま。」 誰もいない部屋に向かってなんとなく言う。 俺のうちは共働きで夜まで親は帰ってこない。 俺が自分の部屋へ進もうとしていた。 「兄ちゃん…」 弟の慧がおずおずと声を声をかけてきた。 「慧?どした?」 慧は裸足で玄関の前にいた。