「どうした?嫌か?」


陸は首を慌てて横に振る。


「嬉しい……、」


陸は嬉しそうにボールを抱き締めて、恥ずかしそうに微笑んだ。


「すっごく嬉しいです。こんなこと言われたこと無かったし……」


「そう?よかった」


と、田村も微笑んだ。


再び沈黙する。


「話聞きたかっただけなんだ。暇になっちゃったな。一応練習するか?」


教室に戻ればイジメられるかも、


という田村の心配りだった。


「はいッ」


陸は嬉しそうに笑った。


田村は憧れだけど、男子バスケ部だし、練習はしたことあるけど全体練習だった。


だから個人的に教えてもらうのは初めてだった。


先輩の教え方は上手で、分かりやすかった。


それより1番、昼休みが久しぶりに楽しいと思えた。