次の日の朝、陸はベッドから身体が動かなかった。


何かに縛られているような感じだった。


すると母がドアをノックした。



「陸、朝よ?」


「う、うん。」



母が声だけで陸の様子が変なことに気付いた。


「陸、どうかしたの?なんか元気ないわね。体調でも悪いの?」


と言いながら部屋に入ってきた。


陸はイジメられてるから行きたくないだなんて言えなくて嘘をついた。


「頭が痛いの、」


今まで母に無理させたくなかったし、哀しい思いをさせなくなかったので嘘などついたこと無かった。


初めての嘘だった。


「そう。大丈夫?学校休む?」


母が優しく聞いてきた。