陸の指がかすかに動いたのだ。 「………今、相葉さんが動きました!」 「え?!ホント?!」 2人が陸の顔を覗く。 すると陸の眉がピクッと動き、瞼がゆっくり開いた。 「……ん」 「陸!!」 「陸先輩!!!」 「相葉さん!!!」 陸はみんなを見渡そうと首を動かしたのだが、お腹が痛くて止めた。 「あたし、生きてるの?身体が、痛いよ」 陸の目には涙が溜まった。 痛いからじゃない。 生きている、それが嬉しかった。 嬉し涙だった。