その声と言葉に、紗希は『あれ?』と思った。 もしかして、担任の水木先生…? 紗希はおそるおそる、瞳を開けた。 真っ先に見えたのは、航平のTシャツ。 びっくりした紗希は、腕を突っ張って航平から離れようとして、 航平の手が腰に回っていると気づいた。 航平くんにしがみついた時に、抱きよせられた? ど、どうしたら…。 まさかの展開に頭が真っ白になっていたら、香奈枝の声が聞こえた。 「なんだ、水木先生か~。びっくりさせないでよ~」 その言葉に、やっぱり水木先生なんだと、紗希は肩の力を抜いた。