哀しみ、諦めと微かに 希望の入り混じった色。 見るまでもないけど、 想像通りの色で相変わらず この子の頭の中は透けてる、 そんなことを思った。 そしてそんなこの子に 弱い自分を最近ちょっと 自覚している。 人の感情が色で見える能力を 持っている棗は、 色が渦巻く世界を、 人との関わりをずっと 避けてきた。 今でも避けていることに 変わりはないが、 それでも瑠璃や樋野と 過ごすことには慣れてきた。 そして――― ヴァンパイアの玲といることも。