僕の家に百鬼夜行が現れるようになったのは、じいちゃんが死んでからだった。 それまで鬼たちはずっとこの家に入れなかった。 だけど、そのじいちゃんが死んで、鬼たちは我が物顔で僕の家へ現れた。 僕とじいちゃんは二人暮らしだった。 ばあちゃんは僕が生まれる前に事故で死んじゃったらしい。 だから、僕はばあちゃんの顔を仏壇の遺影でしかしらない。 僕の家族は、じいちゃんと白黒写真のばあちゃんだった。