ガタガタと錆び付いた戸が唸る。 「これ、どうにかしてよねっ」 顔を歪めながら倉庫の戸を開ければ、春平はまたケラケラと笑った。 「うん、なんとかしておく」 「……春平はさぁ」 ―そこまで言ってやめた。 きょとんとする春平の、ちょっと先に見えたのは知加ちゃん。 「なんでもなーい。早くご飯食べよう」 春平に文句を言うのは、家に入ってからだ。