近所に住んでるのを知ったのは、伊本が来てから一週間後。
学校へ行くときに、バッタリ出くわしたのである。
しかも、アタシなんかびっくりして絶叫。
「ぎゃぁーーーーー!!」
と、あたしの声がマンションの中をこだましていくのが分かった。

ハズイことをしてしまった・・・・・・

「福田って、ホントうけるよな」
気付けば伊本は笑っていた。
別に、笑って欲しくてやった事じゃないし、ハズカシイのに笑われたら惨めさが増すっていうか。
「別に、面白くないし!」
ちょっとすねてアタシは前にいる伊本を超した。
後ろから聞こえる伊本の笑い声。
少しムカっときて、
「ちょっと!笑いすぎでしょ!?」
と、言ってやった。
伊本は一瞬やばそうな顔をしたが、ケロッと笑って、
「ムキになってんなよ。福田らしくねぇし」
と、アタシの頭をパシッと叩く。
振り返ると、見える後ろ姿。
いつの間にかアタシを超して、先に進んでいた。

このまま行っても、気まずいだけだしなぁ、、、。