「蘭?」 恭平が私を呼ぶ。 薄らと開いた目で私は恭平の姿を捕らえた。 「――………。」 声は出ない。 喉が焼けるように熱い。 でも、言いたい事がある。 『その先の言葉を言わないで。』 『私を夢から覚ませないで―…。』 だって分かるんだ。 恭平の顔を見れば。 「…―楓さんから聞いたんだろ?」 そんな顔をしないで。 「椿夜の組長が青虎にいるのは本当だ。」 全てが真実だって分かってしまう。 分かっちゃうじゃん。 私は分かりたくなかったの。 私は夢がよかったんだよ。