その10日後と言うのは今日であった。
ハルは気持ちの整理もついていないが約束の場所へと向かった。
ついたらそこは立派な桜の木のある公園だったライトアップがされてあり、暗くてもきれいに桜が見えていた。そこに人影が見えた。近づいていくと…そこには両親が立っていた。
驚くハル。
ハル「なんで?何で二人ともいるの?」
母「ハルが事故にあう前の日にね…男の子が来たの…名前は聞き忘れちゃったんだけど…その子すっごく必死にハルのことをもっと見てあげてほしいってハルが笑わなくなっちゃったんだって…ハルにまた笑ってほしいって今日この場所に絶対来てほしいって何度も頭を下げててね…ハルが事故にあってすっかり忘れてたんだけどなぜかふっと思い出しちゃって…その子の真剣な顔を…」
父「俺のとこにも来たよ…俺も同じだよ…気が付いたら足が勝手に進んでたよ…」
ハルは間違いなくトウマだと思った。
母「私達ハルが来るまでいろいろ話しあったわ…いっぱい喧嘩もした…でもよく考えたらお互い自分の気持ちをぶつけ合うってしたことなかったように思うの…それでね…ハル…私達…」
ハルは目を閉じた……。
母「急には前のようになれないかもしれないけど…お互い言いたいことをぶつけていつかはまた前みたいに戻れたらいいなって思ってるの…」
父「ハル…ごめんな…俺達親失格だよなぁ…ハルの気持ち考えてあげれてなくて…」ハル「私…昔みたいに戻りたかった…三人で朝ご飯食べたり…パパと一緒に通ったり…ママに笑顔で見送ってほしかった…お金なんていらないから一緒にいたかった…」
みんな心の中の気持ちを吐き出した。少し前のように戻れたような気がした。それはハルの心からの願いであった…また昔のように戻りたいハルはいつもそう思い願っていた…。それがハルの笑顔を奪ってしまっていた原因だった。
三人は顔を見合わせ笑いあった。みんなの顔に笑顔が戻った。ハルも笑っていた。全てトウマのおかげだった…。ハルの気持ちはスーッと穏やかになっていった…。ハルはトウマも笑ってくれてるような気持ちになった。
三人は手をつないで帰っていった…。