ハルは病院へとやって来た。病院の中もお構いなしに走っていた。向った先はナースステーション。
息を切らせるハル。
ハル「あの…聞きたいことがあるんですけど…私が運ばれて来た日と同じ日に同い年ぐらいの男の子も…もしかして…運ばれてきてないですか?」
ハルはじっと看護師の顔を見つめていた。
ハル「どうなんですか?教えてください。お願いします」
看護師「その子なら…」
と話を進めようとした時、奥から婦長さんがやって来て代わりに話しだした。
婦長「運ばれてきたわよ。」
ハル「やっぱり…その子はどうなってるんですか?今どこにいるんですか?」
とても穏やかな顔で婦長は「彼は退院したのよ。あなたよりもちょっと前にね…本来なら教えたりできないんだけど…」
そう言って婦長は一枚の紙をハルに渡した。そこには住所がかかれていた。
ハル「ここに行けばトウマに…トウマに会えるんですねありがとうございます」
ハルはまた走りだした。書かれている住所に向かって。今のハルには体の疲れなど感じている余裕もなかった。期待と不安で胸が押しつぶされそうだった。自分はどうしたらいいのだろうか。どうしたいのか…。ただ会いたい…今はそれしか考えられなかった。