【短】真夏のナンパLOVEゲーム



「………」


状況が飲み込めないあたしは、言葉も発さずにコウキさんを見つめる。


彼の視線もあたしに向いて、目が合った。



……本物?


コウキさんだよね?

幻じゃないよね――…



「なんつーアホ面してんの、お前」


「……っっ」



この意地の悪い発言。まぎれもなく、本物のコウキさんだ。



「ど、どうしてっ……」



うまくしゃべれないあたしに、コウキさんが一歩近づいた。



「お前らが帰る日、カズから電話があったんだ。そのとき聞いた。……お前が浮気なんかじゃなく、本気で俺を好きになってくれてたこと」



カズくんが……?