下校中の生徒がちらほら周りにいるけど、誰も助けてくれる気配はない。 「つーか、こないだの電話の男、あれ何? アズの新しい男とか言ってたけど。 なぁ紹介してくれよー。アズチャンの彼氏なら、俺も仲良くしてもらいたいからさー」 「……ッ…」 「あれ? 何、震えてんの? あっ、もしかしてお前、新しい男できたとか嘘なんだろ~~」 ひゃはははっ、とバカにした笑い声。 ……悔しい。 最悪だ、こいつ。 ぶん殴ってやんなきゃ気がすまない――! 掴まれていない方の手を、センパイの顔めがけて振り上げた。