ふり向いたあたしは、大きく目を見開く。 「……東条センパイ……」 「久しぶりー。アズ」 気味の悪い笑顔。 すっかりその存在を忘れていたあたしは凍りついた。 つかまれた腕をふり払おうとしたけど、センパイはさらに力をこめてくる。 「痛……っ」 「逃げんなよー。俺、アズと話したいことあんだからさぁ」 「あたしはっ……何も話したくないです!」 「あれ? 日本語わかんない? “俺”が話したいって言ったんだけどー」 あいかわらず自己中で、他人の心を踏みにじって楽しむ最低なヤツ。