【短】真夏のナンパLOVEゲーム



ふり向いたあたしは、大きく目を見開く。



「……東条センパイ……」


「久しぶりー。アズ」



気味の悪い笑顔。


すっかりその存在を忘れていたあたしは凍りついた。


つかまれた腕をふり払おうとしたけど、センパイはさらに力をこめてくる。



「痛……っ」


「逃げんなよー。俺、アズと話したいことあんだからさぁ」


「あたしはっ……何も話したくないです!」


「あれ? 日本語わかんない?
“俺”が話したいって言ったんだけどー」



あいかわらず自己中で、他人の心を踏みにじって楽しむ最低なヤツ。