りみと別れたあたしは、ひとりで帰り道を歩く。
空はあいかわらず青くて、夏のまんまだ。
……あの海辺の町も晴れてるのかな。
東京に戻ってきても、コウキさんへのあたしの想いは消えることがなかった。
会えないし、電話番号も知らない。
そもそも付き合ったわけじゃない。
でもコウキさんのことを想うと、いつも胸がキュンとした。
痛いような、温かいような。
今までの恋とは全然違う気持ち。
……だから。
来年の夏にまた逢いに行こう。
そう思うんだ――…
「……っ」
突然、強い力で後ろから腕をつかまれた。
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