数日後。

カレンダーは9月に替わり、あたしたちの新学期が始まった。



「……あぁ~、暑ぃ~」


セーラー服の襟元をパタパタさせながら、下敷きで扇ぐクラスメイトたち。


扇風機しかない教室はムシムシで、座ってるだけで汗が出る。



「ねー、アズは夏休みどっか行ってたの?」


前の席の子がたずねてきた。


「うん。りみと旅行」


「女2人で? じゃあナンパされまくりだったんじゃない?」


「ふふっ」


「あっ、その笑い!いい出逢いあったんでしょ~」




……あったよ。


あたしは心の中でつぶやいた。