【短】真夏のナンパLOVEゲーム


とっさに立ち上がったあたしは、窓に両手をつき、必死で目をこらす。




……白い砂浜の上に、文字の形に並べられた流木。


それはあたしが昨日書いた『HELP』じゃなくて――




『LOVE』





「……アズ、あそこにいるのって……」


「――…っ…」



ビーチに立ってこちらを見上げていたのは

まぎれもなく、コウキさん。



走るバスから見たその光景は、ほんの数秒間だけで。


でも、コウキさんがまっすぐあたしを見つめてたことは、ちゃんとわかったんだ。