「……アズっ。やっぱりこんな終わり方じゃダメだよ!」
ずっと黙っていたりみが、思いきったように口を開いた。
「後悔だけが残っていいの? 苦い思い出に変えちゃっていいの?
コウキさんたちと過ごした時間は、そんなんじゃないでしょ?」
コウキさんたちと
過ごした時間……?
……そうだ。
たったの数日だったけど、あたしは彼に本気で恋をした。
いっぱい笑ったり、胸が痛くなったり。
楽しくて、真剣で。
そうだよ。
やっぱり、あたし――
「……最後にコウキさんに会いたい」
涙声でつぶやくと、りみが力強くうなずいた。



