【短】真夏のナンパLOVEゲーム


それに……コウキさんはこの旅館を継ぐ人。


東京の女子高生のあたしとは、立場も住んでる場所も遠すぎる。


だから、これでよかった。

きっと、よかったんだよ。



「本当に? アズ」


「……うん。行こ」



あたしたちは荷物をまとめて、チェックアウトした。


フロントに彼の姿は……ない。



「すみません。若旦那さんは、今日お休みですか?」


りみがいきなり、フロントの人にたずねた。



「ちょっ! りみ……」


「若旦那? あぁ、コウキさん。あいにく今日は遅番でして……」