【短】真夏のナンパLOVEゲーム



「あのっ……今りみが言ったことは…っ」



勇気をふりしぼって声を出したあたしの方を、コウキさんは見なかった。


冷やかな顔で、前を見たまま言った。



「別にいいんじゃん? 浮気でも遊びでも何でも。本人の勝手だし」


「コウ……」


「でも俺はそーゆーの無理だから、他あたって」


「……っ…」




心臓が、握りつぶされたみたいに痛い。


ゆっくりと発進する車。



旅館に着くまで、そして着いてからも、あたしたちが言葉を交わすことはなかった。