ハッと気づいたときには、太陽は西に傾いていて。 そして…… 「う……嘘でしょぉ……っ」 満潮になった海が、あたしのすぐそばまで迫っていた。 「何これっ!? 何これ!? やだぁーーっ」 さっきまで砂浜だったところが、今は海になっていて。 あたしのいる場所から半径数メートルだけが、ぽっかり島のように浮かんでる。 道路につながる階段は、波のむこう。 携帯が入ったバッグを階段に置いてきちゃったあたしは、完全孤立状態。