ゴツゴツした岩に囲まれた、長さ20メートルくらいの小さな砂浜。
ここだけ見ると無人島みたいな、野性的な雰囲気。
あたしは階段にバッグとサンダルを置いて、裸足で砂の上を歩いた。
――『コウキが好き?』
……さっきカズくんにたずねられたとき。
あたし、自分でも意外なくらい、あっさりうなずいてた。
……あたし、コウキさんが好きだったんだ。
2日前に逢ったばかりだなんて思えないくらい。
大好きになってたんだ。
日焼けしたのは、肌だけじゃなかった。
あたしの心も、コウキさんにジリジリ焼かれてた。
メニュー