【短】真夏のナンパLOVEゲーム


あのときと同じように手足をバタバタさせると、カズくんはやっと降ろしてくれた。


だけど至近距離であたしを向かい合わせ、腕をつかんでくる。



……あ。


もしかして、この雰囲気……



「カズく……」



スッと顔が近づいてきた。


唇が触れるまでの、ほんの数秒の間に、あたしの頭ん中でいろんな思考が飛び交った。



こんなステキな人との出逢いをムダにしちゃいけない、とか。


でもこれでいいの?とか。


いいに決まってるじゃん、とか。


でもあたしが好きなのは――、とか。