「すごーい! てか、ずるーい」
「アズちゃんもやってみなよ」
「あたしチビだから無理」
「たしかに」
ハハッと笑ったカズくんは、ゴール下であたしにボールを持たせると、ひょいっとあたしの体を持ち上げた。
「っっ!! かっ、カズく…っ」
驚いてダンクどころじゃないあたし。
思わずボールを変な方向に投げちゃったけど、カズくんはあたしを抱き上げたまま。
「そういや最初に会ったときも俺、アズちゃん抱っこしたんだよなー」
そうだよ、そうだよ!
あのときも超ビックリしたんだから!
こっちの心臓が持たないってば!



