「勝手に校庭入ってよかったのかな」 「いーのいーの。見つかったら怒られるけど」 「えー」 怒られるのはヤだなぁ。 でもカズくん、楽しそう。 夏休み中の小学校は、時間が止まったみたい。 自分の母校じゃないのに、あたしもなつかしく感じた。 「あっ、見て。小っせぇゴール」 カズくんの人差し指がさした方を見ると、小学生用の小さなバスケットゴール。 運良く、近くにはボールも転がってる。 「これならダンク余裕じゃん」 カズくんはドリブルしながらゴールを見据えると、軽々とダンクシュートを決めた。