「あ……の」 「ん?」 「ごめんね、りみ、いなくて」 「ううん。なんであやまんの?」 ニコッ。 かわいい笑顔でたずねられて、答えに詰まる。 「や……だって……」 「俺がりみちゃんを気に入ってるっぽく見えたから?」 「……うん」 「俺はアズちゃんが、コウキ気に入ってるっぽく見えたよ」 「えっっ」 「あ、流れ星」 焦るあたしとは裏腹に、カズくんは夜空を見上げて無邪気に笑う。 やわらかそうな髪から、シャンプーの香りがふわんと漂った。