騒がしいあたしたちから逃げるように、小さな蟹がテトラポットの隙間に隠れていく。 昨日会ったばかりなのに。 まだ何も知らないのに。 なんでかな、コウキさんと話してると楽しい。 「――あはは、マジでぇ!?」 少し離れたところから、カズくんの笑い声が響いた。 見ると、カズくんとりみが仲よさげに盛り上がってる。 ……やっぱり。カズくん、りみ狙いなんだ。 そりゃそうだよなぁ。りみ、美人だし、けっこう気が合ってるっぽいし……。 「もっと積極的に行った方がいいんじゃねーの?」