「あたしイチゴ。りみは?」 「んー、メロン」 「俺もメロンにしよっかな」 「金時」 「渋っ!」 コウキさんの地味なセレクトに、りみが笑う。 「コウキは昔からそれ一筋だよな~。味覚が年寄り」 「うるせ」 カズくんにまでからかわれながら、コウキさんは憮然とお金を払って金時を受け取った。 あたしたちは近くの防波堤をよじのぼって、テトラポットに座った。 西の水平線に夕日が落ちていくのを見ながら、それぞれのカキ氷を食べた。