陽気な音楽と、笑い声で騒がしい車内。 開けた窓から入ってくる、適度に湿った心地いい潮風。 流れる景色は夜の海。 ビーチで花火してる人たちが見える。 「ねー! あたしたちも花火しよーよ」 「いいねー!」 ……浮かれた熱帯夜。 あたしの16歳の夏が 急発進を始めた。