「お、いたいた」


広々した玄関でくつを脱ぎながら、カズくんがフロントの方に声をかけた。


「コウキ~。さっき電話で話したお客さん」



従業員の制服を着た男の人が、フロントからこちらに歩いてくる。



……うっわあぁ……。

何この人、芸能人みたいっ。


背が高くて、顔ちっちゃくて、キリリと整ったクールな目鼻立ち。


毛先が無造作にはねた髪は、たぶん潮焼けの、明るい茶色。

いかにも海が似合うって感じ。



これは、これは……



「こいつ、イトコのコウキ。俺と同じハタチ――」


「超かっこいい!!!」


「…………」