「……碓氷コウキ、はたち。 S大経済学部2年。 てんびん座のB型。 趣味、車。 好きな動物、ぶさいくな猫。 好きな食いモン、氷あずき」 「……っ…」 「好きな女、井川あずき」 コウキさん~~…っ。 「他に聞きたいことは?」 「………彼女、いるの?」 するとコウキさんはフッと笑って あたしの頭の後ろに手を回し、すっぽりと胸に抱き寄せた。 「今できた」 ……もう、嬉し泣きどころの騒ぎじゃない。 まわりで冷やかす人たちの声も 今のあたしには、祝福の拍手にしか聞こえないよ――