壁に拳をぶつける音。不甲斐無さが余韻を残した。 爆弾を隣の部屋に移動させて、全員の安全を確保するのは不可能…… 仁史は最後の試みに出た。 冬耶の前に再度戻って来た仁史は、両手に掲げた斧を大きく振りかぶった。 『ガシャン!』 『残り1分』