館内は冷房が効いていて涼しく、薄暗く海の中の雰囲気がする。 ふと、峻介の手元を見ると私の方へ差し出されている。 「…?」 『…ほら、手…。 はぐれたらめんどくさいから。』 …………。 前にもこんなことあったよな…。 一瞬、抵抗しようと思ったけどそれよりも先に峻介の手を取っていた。 峻介は驚いた顔をしたけど、そのあとゆっくりと微笑んで歩きだした。