「一太・ニ太…儂は
消えなかったのか」

楓は絖守に視線を
移し尋ねる。

「うまく転生出来ましたね。
いまは楠木の力を借り
ていますが、数年すれば
霊力も付き自由に会えますよ」

まだ細い我が姿を眺め楓は
うなずき、自分を取り囲み
笑いかける皆に明るく告げる。

「…また会おうぞ」

楓は再び眠りについた。
それは小春日和の
穏やかな日だった。


          完