(目を疑った。いや、解っていたのかもしれない。でも認めたくなかっただけ。柊斗…なんでなの?別れたいならせめて言ってよ。見たくなかった。他の女の子とキスしてるところなんて。しかも、学校一最低な男、西条冬樹のブログに載せられてるなんて。恥よ。明日の女子会で柊斗とバレンタインデートでバージンあげるって宣言したばっかりなのに。恥よ、私、恥さらしよ。明日から学校どうしよう?そうだ、柚月に話聞いてもらおう。)
パソコンを閉じて携帯を開いた。電話帳から柚月を探して発信した。
(情けない私を見せられるのは柚月だけだ。)
「もしもし柚月?今時間ある?ちょっと話したいことあって。」
「美波、今あたしも会いに行こうと思ってたところ。駅のドトールに来て。待ってるからね。」
「ありがとう柚月。じゃあね。」
(どうしよう、涙が止まらないよ。)
止まらない涙をお気に入りのハンカチで拭きながら美波はクローゼットへ向かった。
(外見までボロボロになってちゃそれこそ笑われるわ。私ほどの女が挫けてる姿なんて柚月以外には見せられない。)
どんなに辛くても、どんな場所であろうと、服だけは必ず決めていく。美波はそういう女の子、いや女だ。