「恵子…おさら出して。」 ぷっ。また泣いてる。 食器棚の前で… そうっと近づいて、後ろから抱きしめた。 「けぇーこ。 これだよ。お揃いの皿。分かんなかった? この皿……かわいいだろ。 高校の近くの雑貨屋で買ったんだ。 こっちのマグカップは駅前。 恵子…ピンク。俺は水色ね。 」 うんうん。と首をたてにふる恵子が可愛すぎる。 村越の一人暮らしだったら…新婚だったら…の妄想はけっこう勉強になって。 バイトの休みは高校の頃のデートを思い出して、いろんな店を回ってた。