「弟に何言ってんだよ」



「血は繋がってないじゃん」





確かに両親は再婚で、親父の連れ子の綾とは唯一血が繋がってねぇ。





「冗談だよ。そんな困った顔しないでよー」





綾がやけに明るく笑った。




「勇気には愛ちゃんがいるもんね」





自転車から降りた綾が荷台の愛の座布団を指差す。