「そうだな」
確かにあのとき、藍が現れなかったら、と思うと、ぞっとする。
寺の稚児など、お三津が言っていたように、坊主の慰み者でしかないのだから。
「なぁ与一。お前は最後まで残ったと言っていたな。女子(おなご)は全員、遊郭にやられたのか?」
与一は三郎太の言わんとしていることが、何となくわかった。
三郎太は、お三津が気になるらしい。
三郎太は、与一の五つ上。
お三津よりは一つ年下だが、昔からお三津に、よくちょっかいを出していた。
「ああ。全員同じ街の、それぞれの店に引き取られて行った。お三津は取り合いになって、最後になってたがな」
何気ない風を装い、与一はさりげなく、再度お三津の名前を出した。
確かにあのとき、藍が現れなかったら、と思うと、ぞっとする。
寺の稚児など、お三津が言っていたように、坊主の慰み者でしかないのだから。
「なぁ与一。お前は最後まで残ったと言っていたな。女子(おなご)は全員、遊郭にやられたのか?」
与一は三郎太の言わんとしていることが、何となくわかった。
三郎太は、お三津が気になるらしい。
三郎太は、与一の五つ上。
お三津よりは一つ年下だが、昔からお三津に、よくちょっかいを出していた。
「ああ。全員同じ街の、それぞれの店に引き取られて行った。お三津は取り合いになって、最後になってたがな」
何気ない風を装い、与一はさりげなく、再度お三津の名前を出した。


